こんにちは、HARUです。
今回のみち草きは大阪府交野市から「大阪公立大学 付属植物園」のご紹介です。
大阪公立大学 附属植物園は、大阪市立大学理工学部附属の研究施設が前身の植物園です。
1950年以来植物学の発展、研究のため、多くの植物の収集、保存に努めており、特に日本産樹木の植栽数は300種以上を誇り、日本の代表的な11種類の樹林型を有しています。
その一方でこの植物園は一般にも公開されていて、地域の人々に四季折々の植物の魅力を伝えています。


2025年3月8日(土)
今日の天気は曇り後晴れの予想。
今回も開門を待っての入園で、朝早く曇っているせいか少々肌寒くはありますが、その後は暖かくなりそうです。
この植物園は敷地面積もかなりの広さで、今回はパンフレットのおすすめコースと開花情報を参考に回ることにします。
《今日の足取り》
外国産針葉樹木園 → ツバキ山 → 花木園 → 外国産鑑賞樹木園 ~ カエデ山付近 → 山野草 → 梅園

初めての訪問。
さて、今回はどんな草木花との出会いがあるのでしょうか。
とても楽しみ。
今日の草木花
- ヌマスギ(ラクウショウ)
- セコイア
- メタセコイア
- 椿各種(ユキバタツバキ 他)
- マンサク(万作、満作)
- オウバイ(黄梅)
- ニンジンボク(人参木)
- シセントキワガキ(四川常盤柿)
- ツクバネガキ(衝羽根柿)
- 外国産鑑賞樹木園~カエデ山(アセビ他)
- 山野草各種(キクバオウレン 他)
- 梅各種(オウシュク、カスガノ 他)

今回はいっぱい紹介します。
大変!
外国産針葉樹木園

おすすめコースのスタートは外国産針葉樹木園。
エリアは人も疎ら、メタセコイアやヌマスギなどの針葉樹が立ち並ぶ閑静な空気感がここにはあります。
ヌマスギ(ラクウショウ)
針葉樹エリアの中ほどの池の周りには日本では見られない景色が広がります。
地上にはいくつもの突起が突き出し、少し特異な情景。
この突起、実はヌマスギの呼吸根(気根)。
ヌマスギはその名の通り湿地帯や川沿いの湿り気の多い場所に育つ植物で、呼吸根は酸素が少ない湿地帯で呼吸を助ける役割があります。


セコイア(セコイアメスギ)
セコイアは針葉樹の代表格、その高さは100メートルを超える報告もあります。
原産は北アメリカ、山林火災にも強く厚い樹皮に覆われています。



神戸市立 森林植物園では、ジャイアントセコイア(セコイアデンドロン)を見ることができましたが、この植物園のセコイア(セコイアメスギ)とは別種類です。
メタセコイア
色々な場所で見ることができるメタセコイア、今日は早春の青空にとても映えます。
ちなみに滋賀県の高島市のメタセコイア並木にも何度か訪れましたが、こことはまた違った趣があります。



メタセコイアは雌雄同株で花期は2月から3月頃、この写真はその雄花です。
ツバキ山
外国産針葉樹木園を進みユリノキ広場を抜けるとそこはツバキ山です。
ツバキ山では様々な椿を楽しむことができます。
ユキバタツバキ(雪端椿)
ユキバタツバキは、ユキツバキとヤブツバキの交雑種、花は赤色で約5~8センチ。
ユキツバキとヤブツバキの両方が見られる東北から北陸の日本海側に分布しています。
開花時期:3月から4月頃


シュンショッコウ(春曙紅)
花は桃色の底白気味の八重の中輪。
開花時期:3月から4月頃



撮影の時刻はさすがに曙(あけぼの)とは言えませんが、朝方の春の日差しにやわらかに咲く姿は名前のイメージの通りです。
暁山


紅笑顔



ツバキ山には、他にもたくさんの椿が植えられていました。
既に花が終わったものからこれからのものと、種類は様々です。

花木園
ツバキ山を抜けヤシ園を右手に見ながら進んだ先、左手は花木園です。
今の季節、あまり彩りはありませんがマンサクやオウバイなどを見ることができます。
マンサク
ハマメリス・ヴェルナリス(早咲き万作)
アメリカ原産の落葉低木で、オクラホマ州からアラバマ州にかけて分布しています。
開花時期:1月から3月


ハマメリス×インターメディア
マンサク(万作、満作)とシナマンサクの交雑種です。
開花時期:2月から3月頃



マンサクはもう一種類、少し離れた場所にもあります。
名前は、ニシキマンサク(錦万作)と言い、北海道南西部から本州日本海側鳥取付近までの山地に自生し、マルバマンサクの変種と言われています。
開花時期は2月から3月頃。

オウバイ(黄梅)
オウバイは、中国原産のキク類モクセイ科ソケイ属(ジャスミン属)の半つる性落葉低木です。
黄梅の名は、早春に梅の花に似た黄色の花を咲かすことに由来があります。
また、中国名を「迎春花」と言います。
開花時期:2月下旬から4月頃



ここまでが花木園エリアでこの時期咲いていた花です。
この他にも花ではないですが、目を引く木々を見ることができます。
ニンジンボク(人参木)
ニンジンボクは、中国原産のシソ科ハマゴウ属の落葉樹です。
夏頃に淡青紫の花を咲かせます。
開花時期:7月から8月頃



この時期でも、遠めに白銀が美しい花木です。
シセントキワガキ(四川常盤柿)


ツクバネガキ(衝羽根柿)



初めて見ましたが、シセントキワガキもツクバネガキも、どちらも親指より少し大きい程度の小さな柿です。
外国産鑑賞樹木園 ~ カエデ山付近
花木園を後にして次に訪れたのは、外国産鑑賞樹木園 ~ カエデ山付近。
ここで目に留まったのはこちらの植物。
サンシュユ(山茱萸)
サンシュユは、中国、朝鮮半島原産のミズキ科の落葉樹。
春先に黄色の小花の集まりを付けますが、葉を付けるより先に花が咲くため株全体が黄色に見え、秋には沢山の赤い実を付けます。
開花時期:3月から4月頃



花は気持ちもう少し先のようです。
残念。
アセビ(馬酔木)
アセビは、日本や中国、台湾などに分布するツツジ科の常緑低木。
葉や枝に毒を含み、食べた馬が酔っぱらったかのようになることから、馬酔木(アセビ)と呼ぶようになったと言われています。
開花時期:2月から4月頃



2月の神戸市立 森林植物園では花を見ることができませんでした。
あらためて見るアセビの花は白くて小さい上品な印象です。
ユリノキ(百合の木)
ユリノキは、北アメリカ原産のモクレン科ユリノキ属の落葉高木。
初夏にチューリップに似た黄緑色の花を付けます。
開花時期:5月から6月頃



写真は外側の果実だけが残ったもの。
枝先には冬芽が育つのが分かります。
山野草
キクバオウレン(菊葉黄連)
キクバオウレンは、キンポウゲ科の日本固有の常緑多年草です。
開花時期:3月から4月頃


セリバオウレン(芹葉黄連)
セリバオウレンは、キンポウゲ科オウレン属の日本固有の多年草。
小葉が芹(セリ)似ていることが特徴です。
開花時期:3月から3月頃



キクバオウレンとセリバオウレンは同じオウレンの仲間、葉の形状の違いに特徴があります。
キクザキイチゲ(菊咲一華)
キクザキイチゲは、キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。
白や紫色のキクに似た花を付けます。
開花時期:3月から5月頃



どの花も、山間に控えめに咲く姿には園芸種の花には無い趣があります。
梅園
最後は梅園、植物園の最も北側に位置するこの梅園では、様々な梅が花を競わせています。
鴬宿(オウシュク)
一重中輪の薄紅色の花を咲かせます。
鑑賞用としても美しく、実は梅酒にも利用できます。
系 統 :野梅系・野梅性
開花時期:2月中旬から3月上旬



印象はスタンダードな梅と言った感じです。
枝が立ち上がりやすい特徴も「ウメノキゴケ」がつく様子も自分の中の梅のイメージと同じです。
ちなみに「ウメノキゴケ」というのは樹皮や岩につ生える灰緑色の地衣類で、写真では幹の白っぽい部分がそうです。
春日野(カスガノ)
咲き分け八重の中輪の梅です。
系 統 :野梅系・野梅性
開花時期:2月下旬から3月上旬



「咲き分け」とは何ぞやと言うことで調べてみると、花色が白と淡紅色が混ざるものを言うようです。
残念ながら写真もそうですが花色は綺麗な白でした。
思いのまま(オモイノママ)
咲き分け八重の中輪の梅です。
別名、輪違い(リンチガイ)。
系 統 :野梅系・野梅性
開花時期:2月下旬から3月上旬



この梅も「咲き分け」と呼ばれる咲き方をするようで、名前はその特徴を表しています。
「思いのまま」は誰の思いのままかと言えば人ではなく、梅の思いのままだそうで、どんな風に咲き分けるかは梅次第、「思いのまま」です。
梅に心があるかのようなロマンチックな名前ですね。
訪問した日は少し満開には早かったみたいで、実際よく見ないと分かりませんが確かに花色が違うようです。
緑萼枝垂(リョクガクシダレ)
一重中輪の枝垂れの梅です。
系 統 :野梅系・青軸性
開花時期:2月中旬から3月中旬



名前の通り萼(がく)は緑色で、花は青白掛かった色です。
株全体は黄緑色掛かった印象です。
訪問した日は丁度見頃でした。
隠居城州(インキョジョウシュウ)


寒紅(カンコウ)


その他の梅
他にも色々な梅が咲いています。






- サンゴ
- 花香実(ハナカミ)
- 白玉梅(ハクギョクバイ)
- 濃赤八重(ノウセキヤエ)
- 白一重(シロヒトエ)
- 内裏紅梅(ダイリコウバイ)
- 黒木の梅(クロキノウメ)
- 千鳥(チドリ)
- 吉郎兵衛(キチロベエ)
- 八重揚羽(ヤエアゲハ)
- 月影紅梅(ツキカゲコウバイ)

梅園を訪れた時刻が14時頃だったでしょうか。
曇り気味でその後少し雨がパラツキ始めました。
天気が良かった昼前後に来ていればと、残念に思います。
スポット情報
〒576-0004
大阪府交野市私市2000
TEL:072-891-2059
FAX:072-891-2101
開園時間:9時~16時30分(入園は16時まで)
休園日 :月曜日(休日の場合は開園)、年末年始 (12/28~1/4)
入園料 :大人350円、中学生以下は無料
- 団体(30人以上)の場合、大人280円(要事前申請)
- 大阪府在住者で65歳以上の方は150円(窓口にて住所と年齢がわかる公的書類をご提示ください)
- 身体障がい者手帳、知的障がい者療育手帳及び精神障がい者保健福祉手帳をお持ちの方は、手帳またはミライロID(スマートフォン向け障がい者手帳アプリ)の提示により本人と付添の方1名が無料です。
- 年間パスポート1,000円(発行日より1年間有効)
※発行日より1年間何回でも入園できます。
詳しくは、「大阪公立大学 付属植物園」のホームページからご確認ください。
あとがき
今回の大阪公立大学 付属植物園を一言でいうと、「植物、自然が好きな人にはおすすめ」です。
春もまだ始まったばかりだと言うのに見るものが沢山ありました。
おかげで、写真を整理するのも記事を書くのも大変!

実際、紹介できなかったエリアは他にも沢山あります。


それに時期も良かったのでしょうか、人も少なくゆっくりできました。

今回はたぶん、4時間半ぐらいの滞在だったと思います。
前回の神戸市立 森林植物園ほどではありませんが、歩数約13,000歩、距離にして9㎞ほど歩きました。
改めて考えると目にも良し、健康にも良しですね。
それではまた、次回の記事でお会いしましょう。
このサイトは、植物好きの筆者が行く先々で出会う季節の草や花や木を紹介するサイトです。
今後とも当サイト(みち草き)をよろしくお願いします。